離婚の際に、合意や審判などで一度確定した養育費の額も、当時予想できなかった事情の変更により、増額や減額を請求することができます。
Mさんのご相談
私は2年前に協議離婚をしました。当時3歳の子の養育費として、3万円という取り決めをしていました。元夫は、毎月この金額を支払ってきました。
ところが、先日、子どもが重い腎臓病の病気であることが分かり、手術の必要も出てきました。そうなると、私も子どもの付き添いなどで、今までのように仕事ができないため、収入も減る可能性も高いです。元夫に、養育費の増額を請求したいのですが、出来るでしょうか。
一度決めた養育費であっても、事情の変更が生じた場合は、増額(又は減額)ができる
一度決めた合意や裁判などは、原則として、変更できません。でも、元の合意や裁判のとおりにすると、不公平な結果となってしまう場合に、変更できるとする考え方があります。
(1)合意の前提となっていた客観的事情に変更が生じたこと(2)当事者がそのことを予測できなかったこと(3)事情変更について、当事者を責める事由がないこと(4)そのままではいちじるしく公平に反することなどの要件がそろった場合には、認められます。養育費の場合は、特に、お子さんの利益のために必要かどうかの視点も入ります。
Ⅿさんの場合ですと、お子さんが重い病気であることが、後になって分かったこと、それは予測できなかったし、だれを責めることもできないし、お子さんの利益のためにも養育費を増額することが公平な事情がありそうです。事情の変更にあたるとして、増額請求が認められる可能性が高いでしょう。
養育費増額の請求方法は、協議や家庭裁判所の調停申立、審判申立など
養育費の増額の請求方法としては、まずは、元の配偶者と協議してみましょう。協議に応じない場合は、家庭裁判所に養育費増額の調停を申し立てることになります。
調停の場でも合意できないときは、審判に移行します。審判では、家庭裁判所の裁判官が判断することになります。
明るい将来のために
「オーダーメイドの解決策」を。
弁護士:中村伸子は、女性ならではの視点と丁寧な対応で、依頼人様ごとの解決策を一緒に考えていきます。
お問合せはこちらからメール、電話、LINEでのお問合せが可能です。LINEは広告としてこちらから送信することはありません。